小さな親切、大きなお世話!とは言えない・・

食事後のシンクいっぱいの食器や鍋を洗うのはいつも私。すぐに片付ければ良いのだけど重い腰はすぐには上がらず、毎回少しテレビを見て胃の中のものを少し消化してから取り掛かる。その日もテレビが一区切り付いて、よしやるか!とようやくシンクの前に立つと、おや何か様子がヘンだ。
シンクの中にひしめき合っていた食器が、水を張った鍋の中に漬けられている。家族の思いやりだ。そう、油の残った鍋に水を入れて、食器を漬けてくれたのは、嫌がらせでもなんでもなく、思いやりなのだ。鍋から皿を取り出してみると、七色にきらきらと油で輝いている。その輝きに私はよろめきそうだった。簡単に洗えるはずだった小鉢もお椀も何もかも、すっかり油まみれの重症患者になってしまっていたのだから。ああ、お箸ですらぬるぬるする。
油汚れに強い食器洗い洗剤をたっぷりスポンジに出して、しっかりと二度洗い。指先にぬめりを感じなくなるまで意外と時間を要する。このため息の行き場はどこかへ無いものか。時々、気を利かせたつもりで家族がやってくれるこの思いやりに、一度だけ怒ったことがある。洗い物の時間が倍になるから、油を使った鍋やボウルと他の食器を一緒にはしないでほしい、と。親切心だった家族はすっかりご機嫌斜めになって、家の中には少し嫌な空気が漂った。そして困ったことに、しばらくするとまた同じ事をやってくれるのだ。そう、怒られたことを忘れて!ああ、なぜあなたはいつも色んなことを忘れるの。
無駄とは分かっていても怒りたい。あなたの小さな親切、大きなお世話。でも、いつも気遣いありがとうね。

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